
2025年5月1日、テックマート株式会社は夙川能舞台「瓦照苑(がしょうえん)」とコラボレーションし、大阪・関西万博の「フューチャーライフビレッジ」エリアにて、能楽とVRを組み合わせた展示、そして能×ITの共創で目指すものについてのご紹介と能の実演を行いました。
日本の歴史的伝統芸能である能をITを使って、大阪万博に来場された国内外の方々にお見せし、その感動する様子を見られたことは、この取り組みに意義があるということを再認識できる良い機会でした。今後もITを使って何をするのか?何ができるのか?これを問い続けていきたいと思います。
さて、下記は、EXPOへの出店を提案してくれたエンジニアのレポートです。Kくん レポートありがとう。そして、面白い提案をしてくれてありがとう。
朝の設営とスタッフの支援

当日は朝早くからスタッフが集合し、設営を開始。万博スタッフの方々はとても親切で丁寧に対応してくださり、気持ちよく準備を進めることができました。全体的に前向きで活気のある空気が流れ、「万博を成功させよう」という熱意が感じられました。
開場直後から好反応

展示場所が会場の西側の端にあったため、「お客様が来てくれるかどうか」という不安がありましたが、開場と同時に多くの来場者が足を運んでくださいました。VRによる能楽体験に関心を持ち、しっかり耳を傾けてくれる方も多く、準備してきた甲斐を強く感じました。
日本人の来場者には、能楽の内容やVRの活用意図を丁寧に説明し、午後の能楽師による実演についてもご案内。VRコンテンツは視覚的にもわかりやすく、説明がスムーズに進みました。
外国人対応と文化発信の手応え

日本語での対応に加え、英語での対応をすることも。外国人のお客様が来られた際は「Do you know Noh?(能楽ってご存知ですか?)」と尋ねると、必ず笑いが取れ、良い雰囲気で会話がスタート。VR体験を通じて、私たちの活動と能楽の魅力を伝えることができました。
外国人の方々の多くは、能楽についての認知がほとんどなく、「VRを通じて気軽に体験できる」ことに強く興味を持っていただけました。日本の深い文化に触れる機会を作る意義を、あらためて実感しました。
子どもも夢中になる体験

印象的だったのは、子どもたちの反応です。本来はどちらかというと大人向けの伝統芸能である能楽に、子どもたちがVRを通じて強く関心を示してくれたのです。
特に、VR内で舞台だけでなく客席や天井・床が見える仕掛けに気づいた子どもが喜んでいた姿が印象的でした。これまでの能楽とは違う楽しみ方が可能になったことに、大人たちも驚いていました。
世代を超えて文化をつなぐ、新しい可能性を感じた瞬間です。
来場者からの印象的な声
来場者の中には「工場を経営しているのですが、自分の工場内をVRで撮影してホームページに載せたい」とご相談くださる方もいらっしゃいました。VRをビジネスにも活用したいという具体的な声に、強い手応えを感じました。
また、毎日のように万博に通っているという来場者からは、「フューチャーライフビレッジは情報発信が少ないが、実は面白い展示が多い。御社のような活動こそもっと知られるべきだ。国が支援してでも続けるべきだ」とのお言葉をいただきました。私たちの想いが届いたことを実感し、非常に嬉しいひとときでした。
能楽実演の衝撃と空気感




午後4時からは、能楽師による実演を行いました。能面と装束をまとって登場した瞬間、場の空気が一変。まるで“現実と非現実の境目”に立たされているような、不思議な緊張感に包まれました。
これまで私は、あの静かな舞をなぜ戦国武将たちが好んでいたのか理解できませんでした。しかし、目の前に現れた能楽師の姿と放たれる独特の存在感に触れ、その理由が少し分かったような気がしました。
実演は約10分間にわたって行われ、こんなにも近い距離で能楽を無料で体験できる機会は、まずありません。来場者にとっても、非常に貴重で贅沢な体験になったはずです。
今後に向けた学びと展望

今回の展示を通じて、能楽とVRという異なる要素を掛け合わせることで、多くの方に「日本文化に触れる楽しさと価値」を伝えることができました。
出展以外の感想まとめはこちらからどうぞ。
