WindowsとLinuxの違いについて

本稿は、ITエンジニアが業務で扱うことの多いオペレーティングシステム「Windows」と「Linux」についてまとめたものです。

目次

そもそもOSとは?

OS(オペレーティングシステム)とは、コンピュータ全体を制御してユーザーが使いやすくするためのシステム。もう少し具体的に言えば、OSは「ソフトウェアとハードウェアを仲介する」という重要な役割を担っている。
たとえば、パソコンでドキュメントを作成する場合、メモ帳などの「ソフトウェア」を使います。しかしドキュメントを保存するときは、ハードディスクなどの「ハードウェア」に記録しなければなりません。そこでOSが作成したドキュメントをハードディスクに保存し、保存したドキュメントを開いて閲覧できるのもOSがハードディスクから読み込んでくれるためです。

Linuxとは

フィンランドのリーナス・トーパルズ氏によって開発されたOSです。
Linuxはネットワーク用OSのUNIXの一種で、世界各地の技術者がボランティアで改良を加えています。
当初はパソコン用に作られたOSでしたが、今ではスーパーコンピューター、サーバー、組込みシステム(携帯やテレビなど)など、大小さまざまなシステムで使われています。

自分で開発したWebアプリなどを公開する際、VPS(Virtual Private Server)を借りることになります。Linuxは、VPSにインストールできる標準的なOSです。

Linuxの特徴

Linuxには種類があります。

  • Linuxカーネル
    →リーナス・トーバルズ氏が開発したLinux
  • Linuxディストリビューション
    →Linuxカーネルと区別するための呼称

Linuxカーネルは無料で、だれでも自由に配布できるため、様々な企業・団体がLinuxカーネルを基本にして、独自のLinuxディストリビューションを再配布しています。
Linuxを使用する場合は、基本的にディストリビューションを使用します。ディストリビューションは「流通」や「配布」という意味のある英語です。
Linuxのアプリケーションやライブラリをひとまとめにして、PCにインストールすれば使える状態にした配布物を指します。

代表的なLinuxディストリビューション

Red Hat Enterprise Linux(RHEL)

RedHat社が開発した商用向けのもっとも有名なLinuxディストリビューション。有償のため、「サポート」や「責任」という面で安心感があり、多くの企業で用いられています。

Fedora

Fedoraは、RedHat社が支援するFedora Projectによるコミュニティからリリースされているディストリビューションです。リリースする頻度が高く、最新の技術を積極的に取り入れており、無償で使用できることが大きな特徴です。

CentOS

CentOSとはRed Hat Enterprise Linuxの完全互換を目指したLinuxディストリビューションの1つです。RedHatは、Red Hat Enterprise Linuxのソフトウェアのソースコードを無償で公開しています。CentOSはこのソースコードを元に商用部分を取り除いて開発しています。大きな特徴として、

  • 無料であること
  • 長期にわたるサポート
  • 安定性のあるパッケージを使用することによる安定性
  • YUMとPRMによるパッケージ管理

などがあります。

Windowsとは

Microsoftが提供しているオペレートティングシステムのことで、Windows OSと呼ばれています。Windows OSはGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)という仕組みを採用しており、直感で視覚的に操作しやすいことが特徴です。
「マウスを使って何かのファイルを開こう」とする行為自体、Windows OSがベースにあるからこそできる操作方法なのです。
Windows OSは世界的なシェアを占めており、2020年では世界のパソコンのおよそ80%以上がWindows OSを搭載していると言われています。

発売年代Windows NT系Windows 9x系
1993年Windows NT 3.1
1995年Windows 95
1996年Windows 4.0
1998年Windows 98
2000年Windows 2000Windows ME
2001年Windows XP
2006年Windows Vista
2009年Windows 7
2012年Windows 8
2013年Windows 8.1
2015年Windows 10
2021年Windows 11
Windows OSのバージョン

Windows 9x系は従来ですと一般消費者の家庭向けだったものの、のちにWindows NT系に吸収されました。


Windows OSにはエディションが存在し、Windows10を例にすると以下の通りです。

  • Windows home
  • Windows pro
  • Windows enterprise
  • Windows education

基本的には、Homeの機能を含んだうえで独自要素がプラスされているのがProです。
さらにProの要素を取り組んで独自の機能を追加したものが、EnterpriseとEducationになります。HomeやProは一般家庭向きで、Enterpriseは大企業向け、Educationは大学教育機関向けです。

Windows OSとLinuxの違い

この二つのOSの最大の違いは、オープンソースであるか否かです。

Linux

オープンソース(無料)

Windows

製品(有料)

ITサービスを提供するサーバーのほとんどがLinuxを利用しているのは、無料のオープンソースであることと、もう一つの理由が、製品であるWindowsサーバーよりもLinuxの方が遥かに高い自由度を持っているからです。

Linuxのメリット・デメリット

メリット

  • オープンソースなのでコストがかからない
  • 使わなくなったPCを利用できる
  • インターネット上の情報が豊富

デメリット

  • サポートがない
  • 周辺機器が使いにくい
  • 業務で利用するMicrosoft Officeなどは使えない

PC周辺機器についても、スムーズに動作しない場合も多く、USBメモリなどのストレージ機器については、Linux用のフォーマットへ変更しなければ読み取れないという事態も発生します。またWindows専用のソフトウェアを利用できないといったこともあります。

Windowsのメリット・デメリット

メリット

  • メーカーの公式なサポートを受けられる
  • 多くの企業が導入しているので汎用性がある
  • 周辺機器が利用しやすい

デメリット

  • 利用に制限がある
  • ライセンス料金が高い
  • ウイルスのターゲットになりやすい

Linuxについてのメモ

カーネルとシェルの関係

カーネルがあるからコマンドを実行できる

  • シェルはユーザーからの依頼をカーネルに渡す中継の役割がある
  • ターミナルやTera Termはシェルではなく、シェルを表示させるツールです
  • カーネルはサービスの核(OS)であり、ユーザーからの依頼はシェルを中継してカーネルで実行される
  • プロセス
    プロセスは実行中である処理のことを指す

コマンド集

ps

プロセスを調べる

kill

プロセスを終了させる

ls

ファイルやディレクトリを表示する

cd

ディレクトリ間を移動する

mkdir

ディレクトリを作成する

touch

中身がないファイルを作成する

mv

ファイルやディレクトリを移動する/名前を変更する

cp

ファイルやディレクトリをコピーする

cat

ファイルの中身を表示する

rm

ファイルやディレクトリを削除する

pwd

カレントディレクトリのパスを表示する

グループに関してルールがある

  • グループには、メイン(プライマリ)とサブ(セカンダリ)の2種類がある
  • ユーザーは必ずどこかのグループに属さなければならない
  • メイングループは一つしか指定できませんが、サブグループは複数指定できる
  • ファイルやディレクトリはユーザー・グループごとに権限管理されている
  • 権限がない場合はsudoを利用して閲覧・実行することができる
  • 「chmod」コマンドで読み取り・書き込み・実行権を変更できる
  • 「chown」コマンドで所有ユーザー・所有グループを変更できる
  • 権限は最低限に狭めておくと安全
written by そるてぃ~

2021年入社。インフラエンジニアの将来性に大きな可能性を感じて異業種から転職してきた。一人前のインフラエンジニアになるため、日夜猛勉強中。
知識を得れば得るだけ、新たに知らないことが出てくるIT業界の果てしない大海原を将来にむかって航海中。

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